2018年10月24日水曜日

陸前高田のさっぱ船

調べものがあり、過去の個展データを開いていました。ふと一枚の船をさらっと水彩で描いた絵のデータがみつかりました。探し物は別の絵でしたが、この絵も以前からデータを探していた一枚でした。描いたのは2010年。場所は岩手陸前高田。震災前の広田半島です。

さっぱ船と呼ばれる、漁につかわれる細身の木造船です。陸に揚げられている様がリスミカルで思わずスケッチしていました。

1998年以降東北の風景を海辺山間部問わずあちこち時間を見つけては取材しましたが、水彩画に描かれた場所は特級品でした。思わず家に電話して、「宝物のような場所を見つけた!」と妻に伝えたことを覚えています。

目の前は海、背には防潮堤。その向こうにはすぐ民家が建っていました。津波に全て飲み込まれたはずで、今は様変わりしているはずです。懐かしく悲しい記憶の一枚です。
調べたものは、まあ、あまり意味をなさないものでした。この絵のデータを見つけるためのことだったのかもしれません。

2018年10月22日月曜日

猫ちゃんちび絵

アトリエアルティオに時々いらっしるお客様から、飼われている猫ちゃんを一年ごとに一枚描いてほしい、と、ちび絵制作注文をいただいています。
「ちび絵」とは、アルティオでつけた「小さな額入り水彩画」のネーミングです。画面が6.5センチ×6.5センチ。額に入っても10センチ~15センチ四方。世界に一枚だけの絵を手軽に可愛らしく楽しんでほしいとの想いを込めています。
オーダー制作の場合、写真データを様々なポーズで複数カット、メール添付でいただいての制作です。猫ちゃんちび絵は、一昨日お渡しとなり、とても喜んでいただけました。
小さいサイズですが、場所を選ばないサイズが喜ばれています。
昨日はポルトガルのリスボンの市電を描いたちび絵が嫁いでいきました。以前、ポルトガルのドアを描いたちび絵をお求めくださったお客様でした。「ポルトガルの思い出コーナーに掛けます」と選んでくださいました。
12月恒例の「ちび絵まつり」にむけて、風景、動物、はてはドイツ軍のサイドカーまで、一点一点、気持を込めて描いています。あと一ヶ月半、あっという間にジングルベルの声が聞こえてきそうです。
ちび絵のお値段は、アルティオ展示中のちび絵(6.5センチ×6.5センチ)は6.500円~9.000円+税。オーダーちび絵は10,000円+税。9センチ×9センチのちび絵は12,000円+税となっています。どうぞお気軽にお問い合わせください。

2018年10月20日土曜日

盛岡商業高校「盛商祭」で水彩画展

母校の盛岡商業高校「盛商祭」で卒業生として一室、水彩画展示をしています。今日20日・明日21日です。
「水彩画の世界」として校舎2階3-A教室で25点ほど、岩手から世界の風景まで展示しています。
盛岡商業高校の校章は「桜に商」。
絵は、岩手人の心のささえ、「石割桜」を描いた一枚です。

2018年10月17日水曜日

アトリエアルティオ「おはなしの部屋△」第4回〜宮沢賢治の音楽会

おかげさまで、昨晩のアトリエアルティオ「おはなしの部屋△」第4回・「宮沢賢治の音楽会」、みなさんに楽しんでいただけたようでほっとしています。
 
宮沢賢治研究者は大勢いますし、一家言もつ賢治ファンはそれこそ星の数ほどいます。
ですが、昨晩の2時間半を佐々木孝夫さんとご一緒して思ったのは、
「孝夫さんが切り開き歩んできた音楽人生があってこその、宮沢賢治音楽ワールドとの出会いだったんだ。そしてそれは唯一無二の視点だなあ」ということでした。
 
蓄音機から流れる音楽にあわせての、孝夫さんによる賢治の詩の朗読は、これまでの音楽人生を重ねあわせたような迫力でした。
恒例の講師謝礼代わりの「色紙絵」は、「山猫博士デストゥパーゴ」を描かせていただきました。ありがとうございました!
 
 
「おはなしの部屋△」は、過去、一回目「絵」・二回目「仙台駄菓子」・三回目「フランス文学」・四回目「宮沢賢治音楽」と回を重ねてきました。
 
次回・第五回「おはなしの部屋△」は、11月です。
ゲストは若手の書家・大塚耕志郎さん。
ブラックアンドホワイトの表現世界を、独自の視点で楽しくお話ししてもらう予定です。
くわしいことは近日中にアップします。お楽しみに!


 
 
 

2018年10月15日月曜日

メッセージカード作りました

気にかけている方へ何かを送る。その品にちょっと添えるカード。アルティオでもプレゼント用にお求めくださるお客様にお使いいただくオリジナルのメッセージカードを作っています。もちろん、古山拓オリジナル水彩イラストを添えています。

ショップをひらいて気がつくことって、たくさんあります。メッセージカードもそのひとつでした。お客様から言われたわけではありません。それはある会社さんからのイラストのオーダーがきっかけでした。
 
「お客様が商品を渡すときに添えるメッセージカードの絵をお願いします」。。。この絵は、そんな依頼をくださった水産加工会社ポートさんのメッセージカードのためのイラストです。
「アルティオでも、ちび絵をお求めくださったお客様がプレゼントとして渡す時、一言添えるカードがあるといいよね」と店長。
小さなカードですが、思いのほか喜ばれています。

昨年、はじめてアルティオオリジナルメッセージカードを作りましたが、このたびさらにあたらしい仲間が加わりました。「フラワーキッズ」「ロビン」「リス」の三種類です。ちび絵をお求めの方に差し上げています。(メッセージカード三種ワンセット(108円)でもおわけしています。)
たった一言であっても気持ちって伝えられます。言葉ってすごいな。



2018年10月13日土曜日

絵は家族の一人

絵が手元を離れ、お客様の御宅へ。
いつもどんなところに掛けられているのだろう?と、気になります。
生み出した絵はどんな絵であっても我が子と変わりないので、親心と一緒。

昨日午前中、先般の藤崎個展で「椿の花」の水彩画を嫁がせてもらった方とお会いすることができました。「室内に気持ちよく掛けました。とてもいいかんじです」との言葉に嬉しくなりました。

そして夕刻、別の制作オーダーをいただいているお客様のご自宅へ。室内はとても品がある家具調度と心地よさ。制作はこれからですがおかげで描く絵と額のイメージがしっかり出来上がりました。

アップした写真の一枚(墨絵)はフランスの室内。フランス人の旅行者Mさんが、日本旅のお土産にとアトリエアルティオで買ってくださった絵。先日そのフランスから届いた嬉しいFBメッセージに添付されていた写真です。
もう一枚(バラの絵)は、ニューヨークのアパートの壁面。こちらも日本にいらした際お立ち寄りくださったお客様が求めてくれた絵です。帰国後にFBを通じて送ってくれました。

「描いた絵を売るのは寂しくないのですか?」とよく言われます。
答えは嫁ぎ先の壁面にあるのです。絵がよりいっそう笑顔に見えるのが不思議です。
一番寂しいのは、絵が箱の中にしまわれていること。生み出した絵は、暮らしをともにする家族の一人になることが一番の幸せだと思うのです。